成果を上げるためのたった一つのポイント

過去にコーチングを受けてくれた、

とある営業マン、Tさんの話です。

 

彼は40代半ば。

結婚していて、二人の小学生の父親でもあります。

転職経験があり、今の会社には5年前から勤めています。

 

穏やかな性格で人当たりも良く、

少し頑固そうに見えるところもありますが、

そんなに営業成績が悪いようには見えません。

 

実際、既存の得意先からは可愛がられていたそうです。

 

しかし、他の営業マンに比べて新規獲得が圧倒的に少ないため、

営業成績が社長が想定するほど伸びていなかったのです。

 

 

コーチングを受け始めて約2ヶ月が経ちました。

 

セッションで決めた行動プランは実行してくれるのですが、

どうも表情がパッとしません。

 

営業成績も変動なし。

 

「何かおかしい」とセッションを中断して、

こんなことを聞いてみました。

 

 

「Tさん、営業していて楽しいですか?」

 

すると、こんな返事が返ってきました。

 

「いえ・・・。

 でも、家族のためにがんばらないといけませんから」

 

 

表情は曇ったまま。

重苦しい雰囲気が伝わってきます。

 

 

続けてこんな質問を投げかけてみました。

 

「Tさんにとって、営業マンってどんなイメージですか?」

 

 

しばらく黙っていたTさんは重苦しい雰囲気の中、

こんな風に答えてくれました。

 

「押し売りのイメージです。昔あった訪問販売のような・・・。

 実はこの前、こどもの小学校の宿題で『お父さんの仕事をきく』

 というのがあったんですが、営業の仕事をしていることを

 言いづらかったんですよ。」

 

 

過去、必要のないものを買わされた経験があるのでしょうか。

悔しそうな表情も見え隠れしています。

 

 

Tさんは自分の仕事に誇りを持てないでいたんですね。

 

それどころか、Tさんは営業に対して悪いイメージを持っていて、

それを自分もしているということに罪悪感のようなものを

感じていたのでしょう。

 

例えるなら、

ブレーキをかけたままアクセルを踏んでいるような感じです。

 

 

そして、こんなことも聞いてみました。

 

「営業していて、お客さんに喜ばれたことは?」

 

 

するとTさんは、

「もちろん、ありますよ!」

 

と、少し元気を取り戻し、その時の経験を

うれしそうに語ってくれました。

 

 

続けて

「じゃ、その時のイメージを持ったまま、

 営業とは何かを考えて言葉にしてみてください」

 

 

 

しばらく黙っていたTさんは、こんな風に答えてくれました。

 

「営業とは・・・、

 うれしいサプライズを持っていくこと

 そして、相手を笑顔にすること」


 

さらにTさんは、

「これならこども達にも堂々と言える」

と、うれしそうな表情を浮かべていました。

 



「では、うれしいサプライズを持っていくために

 何をしますか?」

 

と尋ねると、

 

 

「まずはニーズをしっかりとヒアリングしてきます。

 僕、製品知識には自信があるんです。

 きちんとヒアリングしてニーズに合った提案をしていきます。」

 

 

営業としては基本中の基本で、Tさんも頭ではわかっていたのですが、

行動が伴っていなかったんでしょうね。

 

後で、

「あ、でもニーズヒアリングって営業では当たり前ですよね」

と、少しバツが悪そうにおっしゃっていました。

 

 

さらに続けて

「では、新規獲得の方はどうしますか?」

と尋ねると

 

 

「新規の方は・・・。

 自信はありませんが、事前リサーチとそれに基づいた

 僕ならではの提案をまとめて準備をしていきます。」

 

自信はありませんと言いながらも笑顔で答えてくれました。

 

 

「では、新規獲得にどのくらいの時間を使いますか?」

との問いには、

 

 

「そうですね。週に2日は新規獲得に当てます。

 軒数でいうと、10軒を目標にします。」

 

 

ここまで具体的に目標が立ったこともすばらしいですが、

表情を見ると、なんだか自信も湧いてきたようでした。

 

「なんだか、自信ありそうに見えるのですが、

 どうですか?」

 

 

と、見たまんま訊いてみると、

 

「実は、以前から提案してみたいパッケージがあるんです。

 僕が考えたもので既存にはない組み合わせなんですが。

 それをベースに、相手に合わせてアレンジして持っていきます。

 断られたって元々ゼロの先ですから、怖くもないですしね。」

 

 

 

それから2ヶ月後・・・。

Tさんは社内での営業成績で、

ついに1位になったそうです。

 

毎週取り組んでいた新規先への訪問が功を奏し、

次々と契約が決まったとのこと。

 


コーチング契約の最後の方には、

 

「あまりにも顧客が増えて

 新規の活動を減らさないといけなくなったくらいです。」

 

と、満面の笑みで喜びを伝えてくれました。



Tさんにとって「営業に対する悪いイメージ」が

心のブレーキになっていたのです。


そのブレーキが外れたことによって、

当たり前のことが当たり前のようにできるようになり、

営業成績が急伸したのでしょうね。

 

 

ところで、あなたには、

「がんばっているに成果がでないこと」はありませんか?

 

もしかしたら、過去のTさんのように

知らず知らずのうちにブレーキをかけているのかもしれません。

 


身近にコーチがいる方は、

ぜひ一度コーチングを受けてみてくださいね。

 

驚くほど成果が出るかもしれませんよ!

 

 

では、今日はこの辺で・・・。

 

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