2代目起業家の物語 巻の3

今日も昨日の続きです。

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http://www.coach-pv.com/2015/10/06/2代目起業家の物語-巻の二/

 


さて、父の葬儀の最中、僕の目に飛び込んできたのは、

公園いっぱいに集まってくれた人々でした。

 

お知らせすらしていなかった人たちもいました。

 

「どこから聞きつけてきてくれたんだろう」

 

 

さらに、大勢の人だかりを見て、

近所の方も続々と出てきてくれました。

 

多くの方々に見送られて、

父は本当に幸せだったと思います。

 

 

いただいた弔電の中には、

人間国宝の方、議員の方など著名な方の名前もあり、

参列してくださった方の中にも国会議員さんがいらっしゃいました。

 

 

「父さんはこんなたくさんの人に想われてるんだ」

 

込み上げてくる涙を抑えるのに必死でした。

 


 

父が元気だった頃、僕も家族として、

うちが裕福ではないことは実感していました。



なので、思い切って母に


「父さんは、なんで設計士になったんやろ?」


と聞いてみました。



そしたら、母から一言。


「そりゃ、やりたかったからやん」



そっか、父は天職に出会ってたんだ。

だから、仕事に夢中になってたんだ。



そして、さらに母の口から・・・


「あんた、父さんがしんどい思いしてたの見てたやろ?

だからサラリーマンを勧めたのに。

 で、無事にサラリーマンになってくれたから

安心してたのに、またなんで父さんと同じように会社やめてもうたんや?」



・・・。

「なんで?」と言われても、


「やりたいから」としか言えないな。



結局、蛙の子は蛙。

 

父も天国で苦笑いしてるかもしれない。

 

 

今でも僕の中には父がいます。

そして、励ましてくれています。

 

多分、母も同じように感じているはず。

 

 

母の口からも

「最後まで好きな仕事に生きて父さんは幸せだったと思うで」

 

 

そうだよなぁ。

死期が迫る中「仕事したい」なんて思わないよな。

 

 

母は続けます。

 

「ひとつだけ残念というか、かわいそうだったのは、

じいちゃん、ばあちゃんとの確執やな。

親子でもっと仲良くできてたら最高やったやろうに」

 

 

反論こそしませんでしたが、僕は心の中でこう思いました。

 

「そんな確執があったからこそ、

自分の家族を何より大切にしてくれたのだろう」

 

 

 

そこで、ふと自分が実家にいる理由を思い出しました。

 

そうだった・・・。

嫁とケンカして出てきたんだった。

 

 

生前最後に残していた手紙に父も書いていました。

 

「家族を大切にしろよ」

 

 

いかん!

帰らねば!

 

 

帰ってちゃんと嫁と話し合おう。

 

 

パートに出かける母と一緒に実家の玄関を出ました。

 

 

「突然いなくなって、きっと怒ってるだろうな・・・」

 

と思いきや、帰って嫁の反応に驚きました。

 

 

「あれ?なんで??」

 

 

続きはまた明日!


では、今日も楽しみましょー!